令和7年度の「庄原さとやま留学 インターン(2週間)」が全日程を終え、先日、振り返り報告会を開催しました。このプログラムは、全国(東京・埼玉・千葉・滋賀)から集まった参加者のみなさんに地域に滞在していただき、農作業や実際の暮らしを肌で感じてもらう体験型の取り組みです。

最終日の報告会では、参加者のみなさんが滞在を通して見つけた地域の魅力や課題、そして今後の可能性について発表してくれました。ここでは、4名の参加者による発表の様子をお届けします。

建築と農業の視点から見えた、空き家活用の可能性

建築を学ぶ学生の参加者は、農業と建築のつながりを探るためにプログラムに参加してくれました。農作業や共同生活を体験する中で、「農業こそがすべてのものづくりの原点だ」と実感したそうです。また、自給自足の大切さや、地域に伝わる文化を受け継いでいくことの意義について語ってくれたほか、空き家の増加や若者離れといった課題にも触れました。

解決に向けたアイデアとして、空き家を改修して、農業に関わる人や移住を考えている人が滞在できる寮にするという提案をしてくれました。質疑応答では、畑で食べたお昼ごはんが一番の思い出になったことや、薪で沸かすお風呂の火加減に苦労したというエピソードも飛び出し、会場を沸かせました。学生が短期で農業体験できる拠点があれば、若者が農業に興味を持つ良いきっかけになるのではないかと語ってくれました。

都市部からの視点で気づく、コンパクトなまちの強み

まちづくりに興味があるという都市部出身の大学生の参加者は、現地の暮らしを自分の目で確かめたいと参加してくれました。山間部でありながらも生活が想像以上に便利で、生活に必要な機能が町の中心にコンパクトにまとまっていることに驚いたそうです。

駅と中心地が近いことは観光の面でも大きな強みになると分析し、空き家を活かした移住体験施設の整備や、日替わりでいろいろな体験ができる農業プログラムなど、より多様な関わり方のアイデアを提案してくれました。地域の方から「農業体験をもっと楽しんでもらうには?」と質問されると、「単調に思える作業の中にも必ず新しい発見があります。みんなで協力して作業したり、交流の時間を増やしたりすることで、体験はずっと充実したものになりますよ」と答えていたのが印象的でした。

社会人経験を活かした、実践的な地域活性化のアイデア

農業や地域づくりの現場を実際に見てみたいと参加してくれた社会人の参加者は、農業施設や個人農家さんでの作業を通じて、チームワークの大切さや段取りの工夫を学んだと報告してくれました。

地域を元気にするための具体的なアイデアとして、使われなくなった学校を体験型の施設として生まれ変わらせることや、駅で地元のおいしいものを販売するイベントの実施、さらには古い民家を通信環境の整ったワーキングスペースとして活用することなどを提案してくれました。地域の方からの「どのくらいの期間の体験が理想的か」という質問には、受け入れる農家さんの負担を抑えつつ、参加者もしっかりと多様な経験ができる「1週間から1か月程度の短期滞在」が現実的ではないかと、社会人ならではの実践的な意見を聞かせてくれました。

交流を通じて実感した、地域と関わり続ける意義

自身の将来の進路や生き方のヒントを見つけるために参加してくれた参加者は、畑での作業や地域イベントのお手伝い、そして地元のみなさんとの交流を重ねる中で、一見同じように見える農作業も、季節や天候によって毎日違う発見があることに気づいたと語ってくれました。

若者が気軽に参加できる週末の農業体験や、学生寮のようなプログラムの導入、さらにはSNSや写真コンテストを活用して地域の魅力を発信していくというアイデアも提案してくれました。

今後のプログラム改善と関係人口創出に向けて

4名の発表に共通していたのは、地域の課題を自分ごととして捉え、実際の体験から解決のヒントを見つけ出そうとする真摯な姿勢でした。質疑応答の時間には、若者ならではの視点と、地域が抱える現実とをすり合わせるような、前向きで建設的な対話がたくさん生まれました。

今回のインターンで得られた気づきを受け止め、次年度以降も、参加してくださる方により充実した温かい体験をお届けできるよう、運営一同、さらに工夫を重ねていきたいと思います。ありがとうございました。