9月19日~21日の3日間、全国から4名(全国から4名(1名途中体調不良により離脱)の若者が参加し、庄原市東城町を舞台に「庄原さとやまお試し留学」を開催しました。

庄原は「水・食・木」など、人が生きるために欠かせない資源がそろった町。このプログラムは、そうした地域資源を未来へつなぐために、若者が“知って・来て・挑戦する”ことを目的としています。

1日目|まちなみ散策と交流会

オリエンテーションでは、4名の参加者が顔を合わせ、自己紹介や滞在中のスケジュールを確認しました。最初は少し緊張していたものの、すぐに打ち解け、和やかな雰囲気でスタート。

その後は、歴史ある東城のまちなみを散策しました。江戸時代から製鉄や醸造、川舟の物流で栄えた町で、今も残る町屋や石畳の通りを歩きながら、地域の文化と暮らしに触れました。古民家をリノベーションしたカフェや花屋では、地域に新しい風を吹き込む若手店主の話にも耳を傾けました。

続いて訪れたのは、国登録有形文化財「山楽荘」。明治期の建築美と、手入れの行き届いた庭園に、参加者からは「ここに住みたい!」という声も。伝統の技に息づく美意識を感じながら、地域に根づく文化の厚みを体感しました。

夜は地元住民との交流会。最初は緊張していた参加者も、食卓を囲むうちに自然と笑顔があふれ、地域の方の温かさに触れる時間となりました。

2日目|稲刈り体験・合鴨農法・雄橋

朝は「農家民宿 百姓庵 紡」で、旬の野菜と地元の米を使ったあたたかい朝食からスタート。
地元の食材を味わいながら、暮らしの中に息づく“食の知恵”に気づくひとときでした。

この日のメインは「藤本農園」での農業体験。合鴨農法の話を伺いながら、実際に田んぼに入り稲刈りを体験しました。今では珍しい“はで干し”を教わりながら、泥だらけになって稲を束ね、笑い声が絶えない時間に。合鴨の存在が田んぼを守る仕組みにも感心しきりでした。

昼食は、もみ殻を燃料にした「すくもくど」で炊いたご飯と、採れたての野菜、そしてメインの鴨料理!自然の恵みを五感で味わい、地域の循環する暮らしの豊かさを体感しました。

午後は水路をたどって水源地を目指す“ちょっとした冒険”へ。
途中で雨に降られましたが、ビニールハウスの飼料置き場に避難し、即席の“田舎ミーティング”。自然と生まれる語らいや笑い声に、仲間との絆が深まりました。

最後に訪れた帝釈峡の「雄橋」では、巨大な岩のアーチに息を呑むほどの感動。自然のスケールと時の流れを感じる、忘れられない瞬間となりました。

3日目|時悠館・神楽見学/振り返りワーク

最終日は「見学」と「振り返り」の2本立て。
午前は「時悠館」を訪れ、学芸員の方の熱い解説で縄文時代までタイムスリップ。庄原の地が古代から豊かな文化を育んできたことを知り、参加者は熱心に質問を重ねていました。

続いて、東城文化センターで開催されていた神楽公演を見学。迫力ある舞と太鼓の響きに引き込まれ、まるで神話の世界に入り込んだような時間に。伝統芸能が今も人々の暮らしの中に息づいていることを肌で感じました。

午後は3日間の学びを振り返るワークショップを実施。「地域の魅力をどう伝えるか」「自分ができる関わり方は?」など、参加者同士で意見を出し合いました。

まとめ

今回の東城でのお試し留学では、地域の自然・文化・人のつながりを体感し、庄原の“暮らしの豊かさ”を学ぶ3日間となりました。参加者にとって、ただの旅行ではなく、地域と自分を見つめ直すきっかけになったようです。

これからも「庄原さとやま留学」は、若者が地域と出会い、未来へとつながる学びの場を広げていきます。