令和8年9月7日(月)から9月18日(金)まで、「庄原さとやま留学インターン」を実施しました。今回は4名のみなさんを受け入れ、山本農園と東城菊組合での農作業や、地域での暮らしを体験していただきました。

最終日には振り返りを行い、約2週間の活動を通じて見つけた庄原の魅力や、農業の現場で学んだこと、これから地域とどう関わっていきたいかを共有しました。今回は、活動の様子と4名それぞれの気づきをご紹介します。

委嘱状の交付と「北京」での懇親会からスタート

初日の9月7日は、4名のみなさんへの委嘱状の交付を行いました。滞在先は、体験型農家民宿 百姓庵「紡」。庄原での暮らしをともにする仲間との生活が始まりました。

この日は飲食店「北京」で懇親会を開催しました。食卓を囲む交流の時間から、地域の方々や参加者同士のつながりを育むインターンがスタートしました。

「北京」での懇親会の様子
「北京」で、これからの12日間に向けて親睦を深めました。

山本農園で、トマトづくりを支える仕事を体験

2日目以降は、山本農園と東城菊組合で作業に取り組みました。山本農園では、トマトの収穫や脇芽取りなどを体験。実を収穫する仕事に加えて、生育を支える日々の手入れにも関わりました。

山本農園のハウスでトマトに関わる作業をする参加者
山本農園で、トマトづくりを支える作業を体験。

振り返りでは、農業には想像以上の手間と時間がかかることや、繰り返し行う脇芽取りには根気が必要なことを実感したという声がありました。実際に手を動かしたことで、普段口にする農産物の向こう側にある仕事が、より身近になったようです。

山本農園のハウスで農家の方と笑顔を見せる参加者
作業を通じて、農家の方々との交流も深まりました。

東城菊組合で、一輪を育てる手間とこだわりを知る

東城菊組合では、菊の芽かき(脇芽取り)などの作業を体験しました。一本一本に向き合う作業を通じて、花を育てるために積み重ねられている手間や、生産者のこだわりに触れました。

東城菊組合の畑で菊の手入れをする参加者

参加者のみなさんからは、農家の方々が育てるものに注ぐ愛情や熱意が印象に残ったという報告がありました。作業の大変さだけでなく、その仕事を支える思いを知ることも、今回の大切な学びになりました。

百姓庵「紡」での暮らしと、庄原を楽しむ時間

滞在中の暮らしも、参加者のみなさんにとって大切な経験になりました。百姓庵「紡」での食事や共同生活を振り返り、おいしいご飯が日々の楽しみだったこと、地域の方々が気さくに声をかけてくれたことなどが語られました。

滞在中の食卓に並んだ料理
日々の食事も、滞在の楽しみのひとつに。

休日にはラフティングなど、庄原の自然を楽しむ時間もありました。農作業の現場とは違う場所でも、仲間や地域の人と過ごす中で、自然の豊かさや人との距離の近さを感じる滞在になったようです。

川でラフティングを楽しむ参加者たち
休日はラフティングで自然を満喫しました。

最終日の振り返りで共有した、4名の学びと提案

9月18日(金)の振り返りでは、仕事と暮らしの両方を経験した参加者のみなさんが、それぞれの関心や専門分野と結びつけながら発表してくれました。

最終日の振り返りで発表する参加者
最終日は、一人ひとりの学びや提案を共有しました。

地域の文化を記録し、伝えるきっかけをつくる

多文化社会を学ぶ参加者は、SNSや身近な人への発信、地域のイベントや祭りへの参加など、これから自分にできる関わり方を提案しました。

将来的なアイデアとして、比婆荒神神楽などの文化や庄原の歴史に関する史料の解読・記録・保存を手伝うことにも言及。現物とあわせてデジタルでも記録を残すことで、庄原の文化を知る機会を増やせるのではないかと考えてくれました。

農産物の向こう側にいる、生産者の思いを届ける

農業や地域の仕事に関心を持って参加した方は、生産者との距離の近さや、作るものへの愛情と熱量が強く印象に残ったと発表しました。

生産者が消費者に直接農産物を届ける出張ファーマーズマーケットや、農家の一日を紹介する動画の発信を提案。農作業の大変さとともに、収穫の喜びや人柄まで伝え、庄原や農家の方々を知るきっかけをつくりたいという思いを語ってくれました。

農業と地域づくりの経験を、身近な人へ広げる

農業体験と地域おこしに関心を持つ大学院生の参加者は、農作業の手間を実感したことに加え、地域の方々の明るさや笑顔、おいしい食事、豊かな自然を庄原の良さとして挙げました。

今回の体験を家族や友人に伝えることや、道後山高原クロスカントリーコースなどを活用した陸上部の合宿を提案。感謝や思いやりの大切さを感じた12日間を振り返り、また庄原に戻ってきたいと話してくれました。

化学の学びを、農業の未来につなげたい

化学を学ぶ参加者は、手作業による脇芽取りの大変さから、農業の大切さと農家の方々への感謝を実感したと報告しました。地域の人が気にかけてくれる温かさや、助け合う暮らし、生き物に触れて関心が広がったことも紹介してくれました。

将来のアイデアとして、品種改良などを通じて脇芽取りの負担を減らし、一人あたりの生産性を高めることを提案。友人に体験を伝えたり、一緒にラフティングに訪れたりする身近な関わり方とともに、庄原の農業を次の世代につなげたいという思いを語ってくれました。

12日間の出会いを、これからのつながりに

4名の発表には、生産者の仕事への敬意や地域の方々への感謝とともに、自分の経験や学びを活かして庄原に関わりたいという思いがありました。今回寄せられた気づきや提案を、これからのプログラムづくりにも活かしていきたいと思います。

参加してくださった4名のみなさん、山本農園、東城菊組合、体験型農家民宿 百姓庵「紡」をはじめ、受け入れにご協力いただいた地域のみなさま、ありがとうございました。また庄原でお会いできることを楽しみにしています。